碧眼の副社長は愛をささやく
「これでお願いできるかしら?」

スタッフ2人とエリックは、私の描いたスケッチを、
無言でしばらく眺めていた。

前髪をかきあげながら、エリックがつぶやく。

「すごい」

「気に入ってもらえたみたいで嬉しいわ」

エリックに微笑む。


私がデザインしたのは、クロスの中央にダイヤが一つ
ついたシンプルなもの、

しかし、それだけではエリックが納得する訳がないので、
クロスの部分に透かしが入り、高度が技術が要されるように、
デザインされている。

もちろん、ジョージアン風にして、このブランドの、
イメージもそのまま体現している。

「オーダーメイドをするお客様は自分好みにデザインするので、
 この店のコンセプトと外れたオーダーも多いんだ、
 綾乃のデザインは、美しいだけでなく、このブランドも表現してる、
 すご腕のデザイナーとは聞いていたが、これ程までとは・・・」

驚きの声にふふふと笑う。

商業デザイナーなんだもの、ブランドのイメージを反映させるのは、
当然なのだけどね。
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