碧眼の副社長は愛をささやく
「ほーらほら、手を動かす」

先輩が、声をかけながらも、皆にチョコレートを配って歩く。

皆真剣な顔になり、手を動かす。

製作は個人の感性が重要になり、
製作方法、表現、色の配置など異なる。

また、指名での仕事もあり、仕事の分担は難しい。

それらを加味して、采配する主任は流石だと思う。

どんなベテランでも、単純な作業も否を言わずこなす。

普段からのチームワークの良さが、ここで発揮される。

とは言っても、仕事の待ち時間はできる、
その合間に藤本君の仕事を見る。

藤本君は別段デザインが上手い訳でもない、
ただ、この製作課では”色の魔術師”の異名を持つ。

今も、え?この色?と思う色を選びながらも、後になるとしっくりまとまる。


天性の感性。


背筋がぞくぞくする、
こんな瞬間に出会える、だからこの仕事が大好き。
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