碧眼の副社長は愛をささやく
3時になり、部長の元へ向かう、

「失礼致します、お呼びだと聞いたのですが」

「ああ、橘君、相変わらず綺麗だね」

人のいい笑顔を浮かべて、部長が声をかける。

「ちょっと頼みたい事があってね」

「なんでしょう」

「週末の土曜空いてる?」

「はい、大丈夫ですが」

「では悪いんだけど、土曜開催される、
 会社の関係者をもてなすパーティ出てくれないかな」

「パーティですか?」

そうと言って、大きく首をふる。

「本当は、企画課の人間と、総務課が担当なんだけど、
 総務課の一人が病気になっちゃってね、人手が足りないんだ、
 笑顔を振りまきながら、お酒を配るだけだよ」

そう言って、2枚紙を手渡す、

紙には、パーティのスケジュールや、準備について書かれていた、

「もちろんタダじゃない、休日出勤で1万つけるよ」

赤で『支給1万』と手書きされた部分を指す、

どうかなと、無言で答えを促され、答える。

「分かりました」

「助かるよ、さすが『完璧な女』」

その言葉に曖昧に笑顔を返し、席に戻った。
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