碧眼の副社長は愛をささやく
「エリック、子供みたいよ」

そう言って、くすくす笑うと、エリックは少し眉を上げ。

「確かに、昨日は子供の頃みたいに、
 わくわくして、あまり寝つけなかった、
 今日は、君を抱きしめて、ぐっすり眠れる」

そう言って、私の左手を持ち上げ、手の甲にキスをする。

その後、少し、意地悪そうな顔で私を見つめた。

私はその含みのある声に、手が熱くなるのを感じ、顔が一気に赤くなる。

ここ、電車の中で、まだ昼間なのよ!

最初出会った時を思い返す。

そう言えば、エリックって少しずるい所があったんだった・・・

「はい、お弁当!」

エリックから手を離し、ずいっとお弁当を突き出す。

私の真っ赤になっているだろう顔には何も言わず、
いつものペースでエリックはお箸を割る。

どきどきしてるの、私だけなのかな?

「綾乃も、食べよう」

何だが、少し負けている気がしながら、私もお箸を割った。
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