碧眼の副社長は愛をささやく
次は、玉ねぎと・・・と皮を剥き、大きめにカットしていく。

その時、目がぴりりとするのを感じ、
とっさに手の甲で拭う。
するとそれが逆効果だったのか、更に目が痛くなる。

「目、痛いの?」

気づいたエリックが、心配そうに声をかけてくる。

こくんとうなずくと、
洗面台に連れていってくれ、目を洗った。

「これで少しましになると思うけど」

目を洗った後、エリックが目薬をさしてくれた。

男性に目薬をさしてもらう事にどきどきしながらも、
変な顔じゃありませんように!と願う。

「みじん切りした訳じゃないし、もう大丈夫よ、ありがとう」

エリックから離れ、料理を再開する。

ブロックのお肉を鍋に入れると、じゅっと焼けるいい音がした。
そこに切った野菜を加え、鍋をかき回す。

以外と力がいり、えいしょとかき混ぜていると。

やっぱりロマン・・・

とエリックが言っていた。

エリックは余裕で料理をしてしまうので、
私の一生懸命な姿がそそるらしい。

ひょっとして、小さな子供が一生懸命料理を作っているような、
微笑ましい感じに、エリックには映っているのかしら?と思いながらも、
なんだか喜んでいるので、良しとしようと思う。
< 72 / 88 >

この作品をシェア

pagetop