碧眼の副社長は愛をささやく
鍋に水を入れ、火を弱火にしてコトコト煮る。

「後は待つだけ」

そう言ってエプロンを脱ごうと、裏で止めている、
紐に手を伸ばす。

そうしていると、スマホをかざしている、
エリックが目に入った。

「何しているの?」

「綾乃のエプロン姿、写真撮っておこうと思って」

エリックのスマホを覗くと、
料理している私の姿が、いくつも収められていた。

「いつの間に・・・」

「ほら、やっぱりロマンと言うか色気と言うか・・・」

ちょっと照れながらも、嬉しそう。

なぜエリックが照れるの・・・と思いながらも。
今日何度目かの、まあ、喜んでいるならいいか、と思った。
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