碧眼の副社長は愛をささやく
どんな声なんだろう、話かけてみたい。

でも、今の私はお酒を配っている女で、さっきの女性のように、
相手にされないわよね。

心は話かけたい、頭はストップをかける。

ぐるぐるとそんな事を考えていると、
その男性に部長が近づき、私を見て手招きした。

私を呼んでいるのよね?

少し浮足立った足で、男性と部長の元へ向かった。

「エリック」

部長が男性に声をかける。

「ハイ、ムネカワ」

「お元気そうですね」

そう挨拶しながら、握手をかわす。

「紹介するよ、アヤノ タチバナ」

「初めまして」

そういいながら私にも手を差し出す、

いいのよねと思いながら、その手を握る、

単なる挨拶で握手をしただけなのに、相手の手の温度を感じる。
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