私、今日からお金持ち目指します?
「でもぉ」と怜華嬢と美麗嬢が頬を膨らませる。

「控え室でもダメなんですか?」
「はい、申し訳ございませんが」
「どうしてですか?」

尚も食い下がる二人に、上条勝利は溜息を付きながら説明する。

「今回のパーティーがシークレットだからです。申したはずです。芦屋君の父君も知らないパーティーだと」

「それが何を意味するか、利口な貴女方には分かるはずです」と上条勝利がニコリと微笑む。

怜華嬢と美麗嬢が顔を見合わせる。そして、同時にアッと口元を押さえる。

「そうです。超富裕層とはそういう人たちです」

全く意味が分からない。そういうとは、どういうだ?

「故に、ここがいくら控え室でも、彼らの許可無く勝手な行動は慎むべきなのです。それが『富豪への道』を行くということなのです」

結局、主催者の許可を取らないと、この出で立ちではプライベートの写真もダメということ? 物凄く横暴!

「僕だって、冬夏とのツーショット写真が欲しい! でも、我慢しているのです」

上条勝利の力説に、怜華嬢と美麗嬢もバカらしくなったのか、パートナーの元に戻る。

本当、ドサクサ紛れに何を言うだ! ちょっとだけ……照れたじゃないか!
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