私、今日からお金持ち目指します?
「皆さんもお気付きのように、彼らの体力は化け物級です。それは普段、彼らが体力づくりに余念がないのと、メディカルチェックを怠らないからです。見た目にも現れていたでしょう?」

「私、スゴク悔しかった!」
「本当、あの見事なプロポーション。負けた感しかなかったわ」

怜華嬢と美麗嬢が唇を噛む。

「大いなる刺激を貰った、ということですね。悔しさをバネに、お二人もより美しくなって下さい」

「当然です!」と怜華嬢と美麗嬢が声を揃える。

――今まで二人のこと、あまり好きじゃなかったけど……ギャップ? それは時に、第一印象を良い意味で裏切ってくれる。彼女たちのこと、ちょっと好きになったかも。

「さて、そこでセミナー五回目の今日は『シンプルな生活を心掛ける』という話をします」

ハイ! と挙手したのは例の如く芦屋君だ。

「富豪とシンプルな生活は結び付きません。彼らはハイセンスで煌びやかな生活を送っているように見えました」

「普通はそう思うだろうね」と上条勝利は軽く頷く。

「でも、彼らは意外に、ナチュラルな生き方をしているんだ」

「あのぉ、それは食生活が自然派志向ということでしょうか?」

訊ねたのは巴女史だ。
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