私、今日からお金持ち目指します?
二回目 時間を大切にする
朝が来なければイイのに、と昨夜あれほど願ったのに……陽はまた昇る。
当然のことだ。
行きたくない、とのたうち回ったところで許されるはずもなく、渋々用意を始める。
身だしなみに気を付ける……かぁ、と先日のセミナーを思い出し、クローゼットから一枚のワンピースを取り出す。
姉たちが昨年の誕生日に贈ってくれた物だ。
それを眺めながら、これを着る日が来ようとは、と苦笑する。
ワンピースは、過去、自ら一度も買おうと思ったことのないデザインで、非常に上品な品だった。
姉たち曰く、『貴女ももう立派な社会人。いつ改まった席に出席するか分からないから、春夏秋冬、最低一着はこういう物を持っていた方がいいわよ』だったのだが、今もって我がクローゼットには、春用のこのワンピース一着切りだ。
仕事オンリーの毎日。この一年、改まった席へ行く機会も無かったし……と、誰に言い訳するでも無く、ノロノロとそれに着替える。
しかし、姿見に全身を映し見ると、いつもどこか垢抜けない、野暮ったい私は消え失せ、洗練されたお嬢様がそこに居た。
恐るべし! 装いマジック、と感心する。
当然のことだ。
行きたくない、とのたうち回ったところで許されるはずもなく、渋々用意を始める。
身だしなみに気を付ける……かぁ、と先日のセミナーを思い出し、クローゼットから一枚のワンピースを取り出す。
姉たちが昨年の誕生日に贈ってくれた物だ。
それを眺めながら、これを着る日が来ようとは、と苦笑する。
ワンピースは、過去、自ら一度も買おうと思ったことのないデザインで、非常に上品な品だった。
姉たち曰く、『貴女ももう立派な社会人。いつ改まった席に出席するか分からないから、春夏秋冬、最低一着はこういう物を持っていた方がいいわよ』だったのだが、今もって我がクローゼットには、春用のこのワンピース一着切りだ。
仕事オンリーの毎日。この一年、改まった席へ行く機会も無かったし……と、誰に言い訳するでも無く、ノロノロとそれに着替える。
しかし、姿見に全身を映し見ると、いつもどこか垢抜けない、野暮ったい私は消え失せ、洗練されたお嬢様がそこに居た。
恐るべし! 装いマジック、と感心する。