私、今日からお金持ち目指します?
「へーっ、こりゃイイ。ファーストキスかぁ」
喜んでいる? 鼻歌でも歌い出しそうなほどご機嫌だ。
「イマドキの子にしては珍しいなぁ」
どうせ私はイマドキじゃありません。オタクもどきですよぉーだ。
ギロリと上条勝利を睨み、ふて腐れながら言う。
「あの……その珍獣を見るような目、止めてもらえません」
「どうして? 貴重なモノを見つけ、手に入れたら、嬉しいのが普通だろ?」
「あっ、でもね」と上条勝利が真面目な顔になる。
「セミナーが終わるまで、君は絶対、俺に落ちるなよ!」
まただ、彼が“俺”と言うたび、ドキンと胸が高鳴る。と同時に、否が応でも、彼を“男”だと意識してしまう。
『落ちるな』か、本当に気を引き締めないと……と思っていると、「お待たせぇ」とトレーを抱えた皐月さんが部屋に入ってくる。
「あらっ、勝利、まだ居たの? お嫁ちゃんのことは私に任せて、早くお風呂に入っちゃいなさい。明日、ロスに飛ぶんでしょう」
「ああ、そうだな」
上条勝利は「じゃあ、おやすみ」と何事も無かったかのように出て行く。
ロスって……海外出張? それなのに……いろいろ悪かったなっ、とちょっとだけ見直し、感謝する。
喜んでいる? 鼻歌でも歌い出しそうなほどご機嫌だ。
「イマドキの子にしては珍しいなぁ」
どうせ私はイマドキじゃありません。オタクもどきですよぉーだ。
ギロリと上条勝利を睨み、ふて腐れながら言う。
「あの……その珍獣を見るような目、止めてもらえません」
「どうして? 貴重なモノを見つけ、手に入れたら、嬉しいのが普通だろ?」
「あっ、でもね」と上条勝利が真面目な顔になる。
「セミナーが終わるまで、君は絶対、俺に落ちるなよ!」
まただ、彼が“俺”と言うたび、ドキンと胸が高鳴る。と同時に、否が応でも、彼を“男”だと意識してしまう。
『落ちるな』か、本当に気を引き締めないと……と思っていると、「お待たせぇ」とトレーを抱えた皐月さんが部屋に入ってくる。
「あらっ、勝利、まだ居たの? お嫁ちゃんのことは私に任せて、早くお風呂に入っちゃいなさい。明日、ロスに飛ぶんでしょう」
「ああ、そうだな」
上条勝利は「じゃあ、おやすみ」と何事も無かったかのように出て行く。
ロスって……海外出張? それなのに……いろいろ悪かったなっ、とちょっとだけ見直し、感謝する。