私、今日からお金持ち目指します?
四回目 心身共に健康でいる
「さて、セミナーの四回目は『心身共に健康でいる』です」
前回、彼が言ったように、会場は会議室に移された。学校の教室のようなこぢんまりとした部屋に、少しだけ幼き頃の哀愁を覚える。
「……と、その前に、季節の変り目です」
上条勝利の視線が窓の外を見る。
釣られて教室中の視線がそちらを向く。
今日は久々にいいお天気だ。一雨ごとに春が近付くというが、本当にそうだ。視界に広がる青い空が、霞がかかったように見えるのは、気温が高くなってきたからだろう。
「私、もう、花粉症の症状が出始めて、やんなっちゃう」
「私は肌荒れ、季節の変わり目はいつもこう! 本当、いやねぇ」
ここでもまた、中央前列を陣取る怜華嬢と美麗嬢が口々に言う。
先日アレだけ釘を刺されたのに、上条勝利ラブは変わらないようだ。
「彼女たち同様、この時期、体調を崩す方は多いですね。先日の下条冬夏さん、然り」
そうだ、そうだった。私が倒れたのはセミナー中だった。
「……あのぉ」とおずおずと立ち上がり、「皆様、先だってはご迷惑をお掛けしました」と頭を下げる。
「良かったわ、お元気そうで」
マダム京極がニッコリ微笑む。
前回、彼が言ったように、会場は会議室に移された。学校の教室のようなこぢんまりとした部屋に、少しだけ幼き頃の哀愁を覚える。
「……と、その前に、季節の変り目です」
上条勝利の視線が窓の外を見る。
釣られて教室中の視線がそちらを向く。
今日は久々にいいお天気だ。一雨ごとに春が近付くというが、本当にそうだ。視界に広がる青い空が、霞がかかったように見えるのは、気温が高くなってきたからだろう。
「私、もう、花粉症の症状が出始めて、やんなっちゃう」
「私は肌荒れ、季節の変わり目はいつもこう! 本当、いやねぇ」
ここでもまた、中央前列を陣取る怜華嬢と美麗嬢が口々に言う。
先日アレだけ釘を刺されたのに、上条勝利ラブは変わらないようだ。
「彼女たち同様、この時期、体調を崩す方は多いですね。先日の下条冬夏さん、然り」
そうだ、そうだった。私が倒れたのはセミナー中だった。
「……あのぉ」とおずおずと立ち上がり、「皆様、先だってはご迷惑をお掛けしました」と頭を下げる。
「良かったわ、お元気そうで」
マダム京極がニッコリ微笑む。