私、今日からお金持ち目指します?
「申し訳ございません。私、パーティーなどという晴れがましい席に着ていく服がございませんので、このお話はご辞退させて頂きます」

巴女史が済まなそうな顔で頭を下げる。
そうだ、そうだった! それは私も同じ事。

「私も……」と言葉を発したところで、「シーッ」と上条勝利が人差し指を口元に置き、沈れのポーズを取る。怖っ、眼が睨んでいる。

「この中で、彼女のように着ていく服がない、時間がとれないなどの理由で不参加表明をしようとしている人は? 挙手してくれないか」

私を含め、三十二人中、おそらく半数以上の人が手を上げた。

「そのまま手を上げていて。なるほど、残念だが、挙手した君たちに富豪への道はない」

そう言われても……と思っていると、「前に言っただろ、ココを使えと」と上条勝利が米神を突く。

「そうねぇ、その場に相応しいお洋服がなかったら、借りれば?」

マダム京極がホホッと笑う。
「でも……」と巴女史が口ごもる。

「彼女の態度が全てを物語っている」と上条勝利が巴女史を見る。
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