君とだけ 、キス
店で兄が主催となればやらざるを得ない、それは理解できた。
ただ、私は……
「 英だったから、良かったと思ってるよ 」
「 え、なんで?」
「 俺が勝手にキスしたのに、普通セクハラだろ、でも英からキス返しがあって素直に心臓爆発したしな 」
そ、それは……
あの時は彼氏と別れた後でちょっと、私もおかしかっただけ。
「 あのキスに惚れた 」
修吾……
「 好きだよ、英 」
作業しながら私に告白する修吾に、私はなんて答えていいか……
いつの間にか私も好きになっていたなんて言えない。
毎日、私を待ってくれていた修吾。
素直に好きと言えばいいのに、言えない。
修吾の作業を見ながら生クリームを作れと言われてシャカシャカ回す。
「 あのさ…… 」
私も、あんたが……
「 待っててやるから、アイツの事忘れるまで 」
とっくに、忘れてたんだよ、私。