君とだけ 、キス
「 誰でも良かったみたいな適当キスなんか、どうでもいい! クソバカヤロー!」
「 クソバ… おいっ 」
背後に聞こえる声が言っていた。
“ 誰がお前なんか選ぶかよっ ”って。
ほんと、そう思う。
私は選ばれなかった……
「 …うっ…ん… 」
悔しいっ……
なんで、私じゃないの?
私が彼女だったのに、なんで……
私は付き合って半年の記念日、彼氏にフラれた。
理由は私の一番仲のいい友達、里穂を好きになって付き合いたいからと言われた。
なんで私の友達なのか理解できない私に痛い言葉が刺さる。
「 里穂の気持ちも確認した、お前には悪いけど… お前とは付き合えない、ごめん 」
目の前にいた彼氏が歪んで見えた。
こんなことってある?
私の知らない事実があって、それを記念日に突きつけられるなんて……
だから私は突然のキスを受け入れてしまった。
今は泣くしか出来ないのに、泣けない。