君とだけ 、キス

ケーキ屋フルールに契約社員として勤め、毎日甘い香りに包まれる私、小澤 英(ハナ)。

今、私は店長が両替に出ていて一人だった。



「 いらっしゃいませ、ティラミスクレープと… イチゴフルーツと、渋皮モンブランですね、少々お待ちください 」



あの日、突然の別れと突然のキスから2週間後だった。



「 すみません、いいですか?」

「 はい、お決まりにな…り…… 」



ん? あれ、この顔……



「 じゃあ、この きらぴ香苺の…… 」



まさかっ、あの時の!?



「 あっ、お前… 」

「 変態!!」

「 バッ、やめろって!」



私は指差し言った。

その指を掴んで隠すこの男は……



「 変態じゃねぇって。三上 修吾っての、あんたは… 小澤… 何?」



私は咄嗟に名札を隠した。



「 きらぴ香苺ですね、他には?」

「 ショートケーキ、チョコケーキも。あんた大丈夫だったか? 」

「 え… 何がです?他には?」

「 とちおとめタルト、あんた俺がキスした後ですぐに…… 」

「 以上ですね!お待ちくださいっ 」



この人、私からキスしたの覚えてる……

最悪すぎるっ

記憶消したいー!



私は再会してしまった。

私にキスした変態に……

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