君とだけ 、キス
私の何がいいのかわからない。
ケーキを渡して歩き出して、修吾の車へと行く途中、私は再会したくない人と会ってしまった。
「 英? 」
名前を呼ばれて見れば、目の前に別れた彼氏と、隣には友達だった真波がいた。
なんでこんなとこにいるのっ
「 英… 元気だった?ごめんね、私ね… 」
「 真波、英とはもう終わった事だから 」
すごいナイフが突き刺さったような、それくらい痛い言葉だった……
あれ以来1度も連絡なしだった真波、私には私をバカにしてるとしか思えない。
そして私は気づいた、気づかない方が幸せな事実に気づいてしまった。
ねぇ 真波… それはいったいどういう事……
「 真波、気にするな、体に触るから 」
彼氏が優しく真波のお腹に手を……
真波もずっとお腹に手をあてている。
膨らんだお腹、真波は妊娠していた。
「 何ヵ月?」
ほんとは聞きたくない……
「 もうすぐ5ヶ月にな…… ごめん英っ 」
ほら、ね……
聞かない方が幸せな事ってあるんだよ。
私は悔しくて、私が捨てられた本当の理由を知ってしまったたまらない気持ちを誤魔化すために、修吾の手をギュッと握った。
助けて……