君の思いに届くまで
琉は寂しそうに笑う。
「後悔・・・・・・してる?」
私は少し笑って首を横に振った。
「後悔はしないって言ったじゃない。違うの、全然違う」
「じゃ、どうした?そんな悲しい目をしたのは」
「自分が悔しいだけ」
「悔しい?」
「どんなにがんばっても琉には追いつけない」
「追いつけないって?ヨウの言ってる意味がよくわからないな」
琉はそう言いながら私にタオルケットをかぶせると、ベッドから降りキッチンへ向かった。
「届かないの、琉に。私の気持ちはいつも琉に届く一歩手前で押し流される」
キッチンに届くような少し大きな声で言った。
「どうして押し流されるんだ?」
キッチンから琉の声が聞こえた。
「私はまだ琉にはふさわしくなれないってこと」
琉はキッチンから両手にレモネードが入ったグラスを持って出て来た。
「喉渇いただろ?」
レモネードにはかち割りの大きな氷が一つ浮かんでいた。
私達は家に帰ってからどれくらい汗ばむ体で抱き合ってたんだろう。
レモネードを口に含んだとたん、ものすごく自分が水分を欲していたことに気付いた。
ベッドに座って、2人で一気に飲み干した。
冷たい甘酸っぱいレモネードが体中を駆け巡っているかのように浸透していく。
「おいしい」
私は氷だけになったグラスを見つめながらつぶやいた。
「そう、こんな風に私だけ取り残されちゃうの。いつも」
グラスを揺らすと、氷が軽やかな音を奏でた。
琉は私にいたずらっぽく笑いかけると、氷を口に入れてかみ砕いて飲み込んだ。
「ほら、追いついた」
そうじゃないのに。
そういうこと言ってるんじゃないのに。
私は思わず琉の腕を押しながら「全然違う」と言った。
「後悔・・・・・・してる?」
私は少し笑って首を横に振った。
「後悔はしないって言ったじゃない。違うの、全然違う」
「じゃ、どうした?そんな悲しい目をしたのは」
「自分が悔しいだけ」
「悔しい?」
「どんなにがんばっても琉には追いつけない」
「追いつけないって?ヨウの言ってる意味がよくわからないな」
琉はそう言いながら私にタオルケットをかぶせると、ベッドから降りキッチンへ向かった。
「届かないの、琉に。私の気持ちはいつも琉に届く一歩手前で押し流される」
キッチンに届くような少し大きな声で言った。
「どうして押し流されるんだ?」
キッチンから琉の声が聞こえた。
「私はまだ琉にはふさわしくなれないってこと」
琉はキッチンから両手にレモネードが入ったグラスを持って出て来た。
「喉渇いただろ?」
レモネードにはかち割りの大きな氷が一つ浮かんでいた。
私達は家に帰ってからどれくらい汗ばむ体で抱き合ってたんだろう。
レモネードを口に含んだとたん、ものすごく自分が水分を欲していたことに気付いた。
ベッドに座って、2人で一気に飲み干した。
冷たい甘酸っぱいレモネードが体中を駆け巡っているかのように浸透していく。
「おいしい」
私は氷だけになったグラスを見つめながらつぶやいた。
「そう、こんな風に私だけ取り残されちゃうの。いつも」
グラスを揺らすと、氷が軽やかな音を奏でた。
琉は私にいたずらっぽく笑いかけると、氷を口に入れてかみ砕いて飲み込んだ。
「ほら、追いついた」
そうじゃないのに。
そういうこと言ってるんじゃないのに。
私は思わず琉の腕を押しながら「全然違う」と言った。