瞬くたびに
エンディング
雲一つない青空を背景に、薄く色づいた桜が舞っている。
枝の間からもれる暖かな日差しに、結々は気持ちよさそうに目を細めた。
ベンチに一人座る結々の前を、家族連れやカップルが皆同じように桜を見上げながら通り過ぎてゆく。
すっかり春めいた日曜日、この大きな運動公園にはたくさんの人が集まっていた。
「結々」
待ちわびた声に、結々はぱっと立ち上がる。
あふれる笑顔のまま振り向くと、そこには少し息を切らした葵が立っていた。
「お待たせ。はい、結々の好きなやつ」
「ありがとう」
手渡されたカフェオレを、結々は大切そうに手のひらに包む。
「あ、温かいやつの方がよかったかな」
「ううん、これでいいの」
桜並木に視線を移して、結々はそう言った。
「だって、もう春なんだから」
柔らかな温もりをたたえた風が、結々の髪をふんわり撫でてゆく。
今日もそこに星が一つ光っているのが見えて、葵の顔に笑みが広がった。
「じゃあ行こう。少し歩こうか」
葵の差し出した手を取って、二人は桜のトンネルの中を歩きだす。
二人で見る、初めての桜だ。
「綺麗だね」
「うん」
枝の間からもれる暖かな日差しに、結々は気持ちよさそうに目を細めた。
ベンチに一人座る結々の前を、家族連れやカップルが皆同じように桜を見上げながら通り過ぎてゆく。
すっかり春めいた日曜日、この大きな運動公園にはたくさんの人が集まっていた。
「結々」
待ちわびた声に、結々はぱっと立ち上がる。
あふれる笑顔のまま振り向くと、そこには少し息を切らした葵が立っていた。
「お待たせ。はい、結々の好きなやつ」
「ありがとう」
手渡されたカフェオレを、結々は大切そうに手のひらに包む。
「あ、温かいやつの方がよかったかな」
「ううん、これでいいの」
桜並木に視線を移して、結々はそう言った。
「だって、もう春なんだから」
柔らかな温もりをたたえた風が、結々の髪をふんわり撫でてゆく。
今日もそこに星が一つ光っているのが見えて、葵の顔に笑みが広がった。
「じゃあ行こう。少し歩こうか」
葵の差し出した手を取って、二人は桜のトンネルの中を歩きだす。
二人で見る、初めての桜だ。
「綺麗だね」
「うん」