sweet sweet Valentine!!

だからか今日を楽しみに来訪されるお客様が怯えてしょうがない。


「あ、我慢の限界が来たみたいよ」


そう笑った先にはカツカツと革靴を無駄に鳴らして受付に近づくとバンッ!とカウンターに手をつく苛立つ男。


「…花音。何考えてんだよ、俺以外の男にんなもん渡すな!」


そんなもんってあんた…。
貴方の会社の製品で、貴方のお爺様が発案のイベントですが。


「……俺だってまだ貰ってねぇのに」


ポツリと溢れた本音に目が丸くなる。
欲しかったのか。
なんだよ、可愛いじゃないか。



項垂れた頭にそっと近づこうと腰を上げて耳元に顔を寄せた。


「本命は手作りだから我慢してね」


離れる寸前「夜、部屋で待ってるから早く帰って来てね」そう駄目押しに囁けば彼が目を見開いた。



それでもまだ納得いかなさそうな彼を仕事だからとあしらって仕事に戻す。
仕事にヤキモチ焼かれても。

しかしここで彼を宥めなければ確実に来年からこのイベントは消えるであろう。
やれやれ。



隣で爆笑している先輩に、後日寿退社の報告をすることになったのは又別の話。
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

拗らせ女子に    王子様の口づけを

総文字数/77,578

恋愛(純愛)162ページ

表紙を見る
溺愛なんて聞いてない!

総文字数/36,866

恋愛(オフィスラブ)70ページ

表紙を見る
呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。

総文字数/62,065

恋愛(純愛)134ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop