セルロイド・ラヴァ‘S
2-1
火曜の夜、羽鳥さんにご馳走になってアパートの前まで送ってもらう途中。保科さんのお店の前を通った時、借りていた傘を返さなくちゃと思いながら、灯りが消え“closed”の札がかかったドアを見やって過ぎた。
一瞬あのひとの笑みが浮かんで。微かに心臓がきゅっとなった気がしたけれど、羽鳥さんに話しかけられて消えてなくなった。
木曜日、仕事帰りに寄ろうとしたら7時前だったけど閉まっていた。営業時間の表示がどこにも見当たらなかったから、保科さんの都合で決めているのかも知れない。溜め息が漏れた。
金曜、土曜、日曜も開いていなくて結局、丸一週間。月曜の今日も閉まってたらどうしよう?朝、通りがかりにお店のドアプレートに彫印された『珈琲 保科』の文字を見つめて、何度目か忘れた吐息をそっと漏らした。
一瞬あのひとの笑みが浮かんで。微かに心臓がきゅっとなった気がしたけれど、羽鳥さんに話しかけられて消えてなくなった。
木曜日、仕事帰りに寄ろうとしたら7時前だったけど閉まっていた。営業時間の表示がどこにも見当たらなかったから、保科さんの都合で決めているのかも知れない。溜め息が漏れた。
金曜、土曜、日曜も開いていなくて結局、丸一週間。月曜の今日も閉まってたらどうしよう?朝、通りがかりにお店のドアプレートに彫印された『珈琲 保科』の文字を見つめて、何度目か忘れた吐息をそっと漏らした。