セルロイド・ラヴァ‘Ｓ
恋人でも夫婦でも。二人でいることの本質にあらためて気付かされて。愁一さんとならこれから先も続いてくかも知れない。･･･淡い希望。

「謝らなくていいよ。睦月が好意で言ってくれたのは分かってるし、気持ちは貰っておくから。ありがとう」

私が何も言えずに小さく頭(かぶり)を振ったのを。まるで子供をあやすように背中からぎゅっと抱き締められた。

「ああでも。せっかくだから一つお願いを聴いてもらおうかな」

　お願い？

「睦月を思い切り啼かせられる場所で抱きたい」

　思い切りって。愁一さんは時々、赤面するようなことをさらっと言うから。

「我慢してる睦月も可愛いけどね」

私の耳許に妖しく囁いて。脚を開かせ付け根に指を滑らせる。

「･･･っ、だめ、･･･ンっ」

「何が駄目？僕は抱きたい時に抱くよ。でも睦月が抱かれたくないならそう言って」

笑んだ気配。急に動きを止めた指に疼きかけの躰を持て余して、浮かされたように私は切ない懇願を口にした。

「･･･抱いて、ください･･･」

「いいよ。･･･いつでも抱いてあげる。睦月が抱かれたい時に抱かれたいだけ」

　

今夜も。優しくてしなやかな鞭のような言葉に絡め取られて、愁一さんに侵されてく。掴まえる腕は私をがんじがらめに、もっと逃がさない。激しくて息が止まりそうなのに心地いい。

私が欲しかったのはずっとそれだったんだと。嵌まり込んで溺れてゆく･･････。




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