セルロイド・ラヴァ‘S
「前島さんて野球部のキャプテンぽい感じ?」
帰りの車の中、笑顔のイメージだけで私が冗談ぽく言うと横目でちょっと驚かれた。
「キャプテンじゃなかったけどね、中学からずっとキャッチャーだったかな」
「ほんとに?」
「高校の時は試合の応援にも行ったよ。甲子園には出られなかったけどそれなりに強かったから」
昔話に花が咲き、前島さんや他の友達のことを口にする時の愁一さんは普段よりも雄弁で、柔らかな笑い方もどこか無邪気に映った。これも彼の素顔のひとつには違いない。
羽鳥さんと会う約束の前夜に、私を自分のプライベートな友人に紹介するタイミングを仕掛けた、それもまた愁一さんの思惑のひとつ。
仕掛けられるごとに絡め取られてく気がする。でもそれを、私は不埒にも愉しんでるのかもしれない。
帰りの車の中、笑顔のイメージだけで私が冗談ぽく言うと横目でちょっと驚かれた。
「キャプテンじゃなかったけどね、中学からずっとキャッチャーだったかな」
「ほんとに?」
「高校の時は試合の応援にも行ったよ。甲子園には出られなかったけどそれなりに強かったから」
昔話に花が咲き、前島さんや他の友達のことを口にする時の愁一さんは普段よりも雄弁で、柔らかな笑い方もどこか無邪気に映った。これも彼の素顔のひとつには違いない。
羽鳥さんと会う約束の前夜に、私を自分のプライベートな友人に紹介するタイミングを仕掛けた、それもまた愁一さんの思惑のひとつ。
仕掛けられるごとに絡め取られてく気がする。でもそれを、私は不埒にも愉しんでるのかもしれない。