セルロイド・ラヴァ‘S
その後もウィンドウショッピングを楽しみ、有名なインテリア雑貨のお店ではバスタオルとフェイスタオル、枕カバーを色違いで二揃いずつカゴヘ。洗濯の頻度が高い生活用品はやっぱり消耗が早いのだ。

「俺のは?」

半分真顔で言う大介さんから判りやすく目を逸らしたら。いきなり顎の下に手が掛けられて上を向かされた拍子に素早いキスが落ちた。

「っっ・・・?!!」

すぐ脇にもお客さんがいて絶対見られた筈。二度と会わなくても、今はツィッターとかで変に呟かれるかもだし。もう・・・大介さんのバカ。思い切り呆れた視線を向けると、目を細めて口角を上げて見せた彼。

「悪いのはお前」

それはだって。

「ま・・・睦月だから許すけどな」

私の頭をぽんと撫で溜息雑じりに笑った。
 


 
愁一さんはあの時。私が望むなら大介さんに抱かれてもいいと言ったけれど。大介さんはそれを望んでいるのだろうけど。

私は考えないようにしていた。逃げているのか・・・自分でもよく分からない。覚悟が出来ないんだから考えなくていい。・・・そんな理由をずっと言い訳にして。

< 76 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop