恋に恋する
やっぱり旦那に恋をする
平日の昼休み。
お気に入りのカフェで本を読みながらランチ。
誰かと一緒に来ることもあるけれど、今日は一人。
私にとっては一息つける貴重な時間。
の、はずだった……
壁際のソファー席に座っている男女が目にはいる。
雅樹?
雅樹がいること自体はおかしくない。
営業でこの近くの会社に来ているのだろうし、
相手はおそらく営業の後輩だろう。
問題はそこじゃない。
雅樹の顔。
わたしにはわかる。
あの微笑みは、愛しい人に向ける顔。
私だけの特権だったはずなのに。
どうして、その人に向けてるの?
胸の奥がずきりとする。
せっかくお気に入りのパスタにしたのに、残してしまった。