恋に恋する
「せっかくだから、さなは朝から預かってもらおう。」
さなを溺愛してる旦那のセリフとは思えない。
「じぃじ、ばぁばと遊ぶー♪」
さなも乗り気……
事前に相談したところ、旦那の両親も快く預かってくれることになった。
お気に入りのワンピースに、ナチュラルメイクでキレイめにしあげる。
あの日見たことは結局確認できずにいる。
リビングでは、ジャケットを羽織った旦那が待っていた。
いつもスーツばかりだけど、こういう格好も似合うんだよね。
「じゃあ行くか。」
と、手を差し出してくる。
これは、、繋ぐとかそういう?
「今日は1日デートだから。」
「そ、そう?」
「キレイだな。」
顔に熱が集まってくる。
誰ですか、これは。
こんな歯の浮くセリフ、言う人だった?!
「それより、早く行こ‼」
なんか調子狂う。
「んじゃ、行くぞ。」
強引に私の手をとって歩き出す。
「どこ行くの?」
彼がにやりとわらう。
「行ってからのお楽しみ」