先生と双子と幼馴染と。
「カナってほんとバカだよなぁ」

「翔也に言われたくない! っていうか、いつまでいるつもり?」

「2人が終わるまで待ってようと思ってるんですけど、何か?」

「翔也って友達いないの?」

「はぁ!? いますけど! お前に言われたくないし!」


入学式の会場準備が終わったから翔也は帰ってもいいはずなのに、なぜか一緒にお弁当を食べている。

陽菜曰く、新しくできたアイス屋さんがオープン記念セールをやっていて、半額の値段でアイスを食べられるから行きたいんだって。


「奢ってくれるんでしょ?」

「ひぃはいつも俺に払わせようとするよな。今日は半額だからいいけど」

「やった〜! ねぇ、水野も誘おうよ!」

「え!? どうして!?」

「カナのことよろしくお願いしますって挨拶しないとね。ほら、誘ってきて。翔」

「俺かよ。断られると思うけど」


翔也が水野くんのところへ行って話をすると、水野くんはチラッとこちらをみてすぐに顔を背けた。


「行かないって」

「こうなると思ったよ」

「でも、これ貰った」


翔也は小さな紙をヒラヒラと振ってみせた。

『ダブルをご注文でお好きなアイス1つプレゼント』?

これって……


「トリプルになるってこと!?」

「そうらしいな」

「すごーい!」

「水野! ありがとう!」

「ありがと、水野くん!」


水野くんは迷惑そうに顔をしかめた。

……陽菜にありがとうって言われた時は少し嬉しそうにしてたのに!
私の時はあからさまに嫌そうな顔したよね!?
別にいいけど!


「あ、そろそろ時間だ! カナ、行くよ」

「陽菜、待って〜」

「いってらっしゃーい」


どうして水野くんがあの券を持っていたのかわからないし、私たちにくれた理由もわからない。

何はともあれラッキーだったってことで!
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