先生と双子と幼馴染と。
「ねぇ、翔也。席交換しない?」

「そんなの無理だから」

「私だけ遠いのは嫌だよ」


同じクラスだったけど、五十音順で席が並んでいるから私と双子は離れるわけで……

暮沢兄妹は廊下側の前後の席で、私は窓側の席。

遠い。遠すぎる!


「同じクラスだったんだからいいじゃん! カナはもっといろんな人と仲良くなるべきだよ! いつまで経っても青春できないぞ?」

「2人と一緒なら楽しいし」

「これはもうダメですわ。翔也さん」

「末期ですね。陽菜さん」


2人は呆れたようにため息をついた。


「もう! バカにしないでよ!」

「あ、先生来たよ。カナ、早く戻りなさい」

「戻りたくないのに……」

「早く行け」


翔也にバシッと背中をたたかれて、私は渋々自分の席に戻った。


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