先生と双子と幼馴染と。
「うーん…これもいいけど……何色が好き?」

「え、パステル系…」

「それ、色じゃないじゃん。まあ、いいや。こっちにしよう。待ってて」

「う、うん」


しばらくして、和希くんは小走りで戻ってきた。


「お待たせ。はい、これ着て」


試着室に入って渡された服に着替える。

パステルピンクのニット、スキニージーンズ、スニーカー、白のトートバッグ……

さっきのコーデとは全然系統が違う。


「……着替えたよ」


カーテンを開けると、和希くんは満足気な表情で頷いた。


「うん、完璧。会計は済ませておいたから、次はお茶でも…」

「ちょっと待って! どういう状況か説明して!」

「オレ好みの君になってもらってるだけ、だけど?」

「え? なんで? 服のお金は払うから。いくらだった?」

「プレゼントってことで」

「納得できない! ねぇ、和希くん!」


和希くんは迷惑そうに顔をしかめた。


「だってさっきの服、可愛いけどお前の好みじゃなかったんでしょ? それなのに我慢して着る必要ある? 嫌々着られている服もかわいそうだよ」

「別に嫌とか…」

「オレは嫌だから。今は黙ってオレの言うこと聞いて」


和希くんがなにを考えているのか全く理解できない。
どうして私を自分好みにしようとしているの?

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