先生と双子と幼馴染と。
あれから“悪魔の和希くん”は出てこない。
……むしろ、なんか妙に優しい気がする。
ある日突然、「今までの借りを返せ」とか言われたらどうしよう。


「……オレで変なこと考えてる?」

「か、考えてない! っていうか、変なことってなに!?」

「んー……オレとキスしたら、とか?」

「誰がそんなこと考えるか!」

「え、忘れたの? あの時のこと」


そう言ってニヤニヤと私の顔を見る 和希くん。

やっぱり、和希くんは和希くんだよ!


「かずくん、詳しく教えてくれる?」

「……っ、別になにもないよ。少しからかっただけだし」

「ふーん。それならいいんだけど。もしカナちゃんに手を出したら、ボクが許さないからね?」

「はいはい。わかっていますよ」


そう言って和希くんはため息をついた。


「カナちゃん。テスト頑張ろうね!」

「う、うん」


この前からみんなの様子がおかしいけど、私のせいなのかな!?

と、とりあえず…今はテストに集中しよう。

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