先生と双子と幼馴染と。
そこにタイミングよく袴姿の翔也が通りかかった。


「翔也!」

「ん? カナ?」

「ジャージ貸して」

「いいけど……ちょっと待ってて」


数分後ジャージを持った翔也が戻ってきた。


「はい、どうぞ」

「ありがとう」

「何したんだ?」

「さっき、背中に水を浴びたんだよ」


陽菜は隣で笑っていた。
私は「ほら、ね?」と翔也に背中を見せた。


「ちょっ、カナ!」

「な、なに!?」


翔也は持っていたジャージを奪って、急いで私に着せた。


「そんな格好で平然としてんなよ」

「ご、ごめん」


翔也は軽くため息をついて、「早く帰りなよ」と言い残し、去っていった。
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