先生と双子と幼馴染と。
「カナは何食べたい?」

「んー……やっぱりかき氷かな」

「いちごみるくでいい?」

「うん! 翔也、さすが!」


当たり前だろ?と言わんばかりの誇らしげな表情。

幼馴染の翔也くんにはなんでもお見通しなのね。


「カナは空いている席に座ってて」

「わかった」


それにしても、本当に人がたくさんいるなぁ。
今が1番混む時期なのかな?

パラソルの下 1人で海を眺めていると、頬に何かが当たった。

ビリっと電流が走ったみたいに、冷たさが身体中を駆け巡る。


「…なに!?」

「ははっ、ひどい顔だな」

「もう! 翔也!」


かき氷の入ったカップを両手に持って、彼は楽しそうに笑っていた。


「はい、いちごみるく」

「ありがとう。翔也は何にしたの?」

「抹茶あずき」

「絶対美味しいじゃん! 私も食べたい」

「そういうと思った。ほら、」


スプーンですくって私の前に差し出すから、口を開けたのに……


「んー! うまっ!」

「っ!? ちょっと!」


悪戯に笑う翔也を軽く睨む。

私、遊ばれてる……!

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