先生と双子と幼馴染と。
「そんなに怒るなって。今度は本当だから」


私の口に抹茶あずきのかき氷を入れて「どう?」と聞いた。


「…美味しいよ、すごく」

「全然美味しそうじゃないけど」

「だって…今日の翔也、少し意地悪なんだもん。なんか、和希くんみたい…」

「……カナ」


翔也の表情が変わった。

私、何か変なこと言った?


「双子のこと好き?」

「え、突然どうしたの?」

「答えて」

「…好きか嫌いかで言ったら、好き、だけど」

「恋愛的な意味?」

「ち、違うよ。なんでそうなるの!?」

「それなら別にいいや」


翔也は軽く息を吐いて、かき氷をひとくち食べた。


「この話は終わり! 気にしなくていいから。俺はカナの気持ちを知りたかっただけ」

「この前からみんなおかしいよ……」


振り回される私の気持ちにもなって。

気づいているのか、気づいていないのか……


翔也は私の髪に触れて「あのさ」と口を開いた。


「来週、花火大会があるだろ? 今年は2人で行かない?」

「…2人、で?」

「うん。俺とカナの2人で」

「みんなは? 予定あるの?」

「……俺と2人は嫌?」

「嫌じゃない」

「じゃあ、問題ないな。カナの浴衣姿、楽しみにしてるから」


勝手に決めないでほしい。

……まあ、いいけど。

クラスメイトの女子は喜ぶんだろうな〜。

翔也は意外とモテるの。隠れファン多し。


「……こんなところにいた!」


突然やってきた 陽菜の声が響く。
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