先生と双子と幼馴染と。
海からの帰り道、楽しかったなぁと窓の外を眺めていると、「奏美ちゃん」と名前を呼ばれた。


「はい」


返事をして前を向く。
バックミラー越しに侑斗さんと目が合った。


「眠れないの?」

「車で寝るのは苦手で…」


私以外の3人はぐっすり眠っていた。

陽菜は一番はしゃいでいたからな……


「少し休憩しようか」


SAで侑斗さんがソフトクリームを買ってくれた。


「みんなには秘密ね?」

「はい。ありがとうございます!」


甘さが口いっぱいに広がり、思わず声を漏らした。


「幸せそうだね」

「幸せです」


侑斗さんは「どうぞ」と助手席のドアを開けてくれた。
助手席に乗り込んでシートベルトを締めようとしたけど、ソフトクリームが邪魔をしてうまくできない。


「侑斗さん。持っていてください」

「うん。少し食べてもいい?」

「いいですよ」

「…本当に?」

「え、はい」

「じゃあ、遠慮なく…」


一口食べた彼は「美味しいね」と笑ってソフトクリームを返した。
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