バレンタイン・プレゼント
壁のように分厚く、大柄な体格にも関わらず、如月さんは素早い身のこなしで私の方に駆け寄ると、手から落ちた買い物袋をパッと拾い取ってくれた。
一方、私の方は、緊張でその場に固まって棒のように突っ立っているだけだ。
あぁ、何て気が利かなくてドンくさい私・・・。
如月さんは「大丈夫?」と私に言いながら、さりげなくその大きな右手の平で、私の二の腕にそっと触れた。
それで私は目が覚めたかのように、如月さんを仰ぎ見た。
「あ・・あぁはいっ。だいじょうぶ、です」
どうにかそう答えた私に、如月さんは頷くと、私の二の腕に触れていた右手の平を、そっと離した。
全ての仕草がさりげなく、洗練された男らしい気遣いを感じる。
・・・といっても私の場合、29になるというのに、おつき合いの経験は一度もないから、片想いをしている如月さんだけが、男らしさの基準になってるんだけど・・・。
一方、私の方は、緊張でその場に固まって棒のように突っ立っているだけだ。
あぁ、何て気が利かなくてドンくさい私・・・。
如月さんは「大丈夫?」と私に言いながら、さりげなくその大きな右手の平で、私の二の腕にそっと触れた。
それで私は目が覚めたかのように、如月さんを仰ぎ見た。
「あ・・あぁはいっ。だいじょうぶ、です」
どうにかそう答えた私に、如月さんは頷くと、私の二の腕に触れていた右手の平を、そっと離した。
全ての仕草がさりげなく、洗練された男らしい気遣いを感じる。
・・・といっても私の場合、29になるというのに、おつき合いの経験は一度もないから、片想いをしている如月さんだけが、男らしさの基準になってるんだけど・・・。