バレンタイン・プレゼント
よりによって、片思い中の彼に完全に「素」の私を見られたなんて・・・!
あぁなんて恥ずかしい!

・・・でも、こんな姿をしていても、如月さんは私だと分かってくれたことが嬉しい。
って、その点喜んでもいいんだよね・・・?

複雑な想いを交差させながら、せっかく来てくれた如月さんに、思いきって「うちに来てお茶でも飲みませんか?」と言ってみた。

「あ、それともこの時間だとごはんの方がいいですか?」
「いや。俺はもうメシ食べたから。実家に行ってきた帰りなんだ」
「あぁ、そうでしたか」
「霧野さんはまだなんだろ?引き留めてすまなかった」
「いえいえっ」
「じゃあ俺はこれで。家に着いたら写真送るよ」
「あ・・はいっ。それじゃあ・・・気をつけて。おやすみなさい」
「おやすみ」

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