バレンタイン・プレゼント
『えーっ!?あの霧野さんが妊娠!?』
『シングルマザーだって』
『父親は誰よ・・・』

リアルな想像に、思わず足が止まった。
どっちにしても、ここはマンションのエントランスだ。

私は鍵を探しながら、ため息をついた。

・・・どうしよう。
私の妊娠は、いつまでも如月さんに隠し通せることじゃない。
そうなると如月さんの結婚も・・・あ。だから恵理さんには前もって話をしたの・・・?

行き着いた考えに、頭がショートしそうになったそのとき、エントランスの自動ドアが開いた。

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