バレンタイン・プレゼント
「いつ」
「私が短大を卒業してすぐの頃でした。だから正直言って、母のことはあまり覚えていないんです。数少ない母の写真は、いつまでも若くて元気そうなままで・・。それから父は、男手一つで私を育ててくれました。父ともあまり一緒にいられなかったことと、これからは私がうんと働いて父を養うことができなかったことが残念で、全然親孝行できなかったなって・・あっ、ごめんなさい!私ったらもう、自分からしんみりしちゃうような話をしてしまって・・・」
「いいよ。話したかったんだろ?俺に」
「え・・・」

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