お兄ちゃんに恋をした
【優sida】

「ただいま」

あれ、佳奈からの返事がなかった。
リビングに行くと、食卓にはカレーライスがあった。
佳奈はテレビを見るのをやめて、こっちに来た。

「帰ってくるの遅い…先に帰るって…」

少し怒っていた。俺のために飯作ってくれたもんな。悪いことしたな。

「佳奈」

俺は佳奈の腕を引っ張ってキスをした。前より長く。
何度もキスをした。止められなかった。

佳奈は涙を流しながら、「いい加減、遊ばないで」と言って部屋に戻った。
やっぱり、妹に思えないな…。今日は二人きりか。

コンコン

お風呂に入ってから、佳奈の様子が気になって、部屋に行ってみた。
返事がなかったから、ドアを開けると、無防備で寝ている佳奈がいた。

「風邪引くぞ」
「んー、黒川く…」

寝言だ。黒川は、俺の旧姓。
学校では黒川で通しているけど、佳奈には何も言っていないはず…。
俺は佳奈をベットに運び、机が散らかっていることに気づいた。

あれこの絵、どこかで、、やっぱり。''アカ''って作者のマンガだった。
まだ未完成のマンガを見てみた。

"お兄ちゃん、私お兄ちゃんのことが好き"
"でも俺たちは兄妹だ。好きになるのは嬉しいけど。"
"私たち、血が繋がって- "

どうやら、兄妹での恋愛らしい。
よく見たら、俺たちと重なる部分が何回かあった。

俺がいることにも気付かず、ぐっすり寝ている佳奈をずっと見ていたら
俺もいつの間にか寝てしまった。
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