ぶっ壊れるほど愛してる
天下無敵の馬鹿野郎
ブーッ
ブーッ…ブーッ
「あーなに、こんな朝っぱらから」
鳴り止まないスマホの着信にイラッとしつつ布団から腕を伸ばしスマホを取る。
げ…ナオ。
着信の元はナオだった。
「もしもし…」
「おはよー華。今日13時に会社近くのパンケーキ屋集合ね」
「ちょ、まっ…」
ブツ
プーっ、プーっ。
電話切れた。
慌てて時計を見る。
時計の針は九時を指していた。
いやいや待ってよ。
ナオさん。
今日土曜日でっせ。
あなた私になにか予定があると思わないのですか。
有無を言わさぬ強引な同期兼親友にイラッとしつつも、昨日の退社時話聞かせなさいよと言ってたナオを思い出す。
昨日のお花畑野郎の話聞かれんだろうな。
いや、別に言いたく無いわけじゃないけど、なんつーかこう特に報告することも無いような…。
いつも通り実のない話しかしなかったし?
傍から見れば昨夜の出来事は、スペシャルイケメンと付き合う事になった平凡女の夢物語に思えるかもだが。
なんせあたしとあの頭のおかしい奴のことだ。
そんなうっとりするような話じゃない。
そんな素敵なシンデレラストーリーなはずがないと解釈し、帰宅後すぐ眠りについた。
ドキドキして眠れなかったとかそんなか弱い心をあたしは持ち合わせてない。
睡眠は何より大事。
顔も心も図太い女だった。