ぶっ壊れるほど愛してる
振り返ると1ヶ月ちょっとぶりに見る貝塚くんの姿。
家がお向かいなのに、あの浮気現場を見た日から貝塚くんとは見事に顔を合わせることがなかった。
付き合ってる頃はしょっちゅうばったり会ってたのに。
「貝塚くん?」
「やっぱり華だったか」
貝塚くんは前と変わらない笑顔で近寄ってきた。
「華これから家帰るの?
それとも白百合先輩のとこ行くの?」
「はい?」
貝塚くんは至極当然と言うように白百合蓮の名前を出してきた。
いや、なんであいつんとこにあたしが行くの?意味わかんない。
「自分の家に帰る途中だけど」
「そっか一緒に帰ろ華」
付き合ってた時かのような態度で接してくる貝塚くん。
断る理由もなくかと言ってうんとも言わないあたしの隣を歩き出す貝塚くん。
まあ家まであと5分くらいだしいっか。
とか思って歩いていた。
お互いの家が見えてきたところで貝塚くんが、
「今日どっちかの家で飲まない?この前の話もしたいしさ」
とか言い出した。