ぶっ壊れるほど愛してる
正直言って貝塚くんとは飲みたくない。
あの時ってきっと浮気現場の事なんだろうけど…。
気になるといえば気になるけど、でもあたしは一度気持ちが冷めてしまうと好きになれないタチで。
貝塚くんがあの時ごめんねって言ったことであたしの中ではもう貝塚くんとの関係は終わってて…。
今更あの時のこと話されても言い訳がましく感じてしまうだろうし、そんな話しながら酒飲んだら酒が不味くなりそうとか考えてた。
何かいい断り方無いかなーとか考えながら歩いてたら家の前に着いてしまって。
「華、駄目かな?」
貝塚くんが急かしてくる。
「だめに決まってるだろ?」
え。
今のはあたしじゃないですよ。
「華、一ヶ月俺に会えなかったからって浮気か?
お前そんな男を手玉に取るようなタイプだったのか?」
暗闇の中でも後光が指してるんじゃないかってくらいオーラのある男、お花畑野郎が現れた。
「貝塚くん。
悪いけど見ての通り俺たち付き合ってるから華に話があるなら俺を通してからにしてくれないかな?」
そう言うと白百合蓮はあたしの腰に腕を回し、さ行こうかと言ってあたしの住むアパートに誘導した。
貝塚くんはそんなあたしたちを黙って見送ってた。