くるみさんの不運な一日
そして頭がソッとソファの上に置かれて――。


何故か少しだけ、残念な気持ちになった。


でも別に膝枕して欲しいって訳じゃない。


断じて違う。


ただちょっと目が回り気味だから、頭が高い位置にあるのが楽なだけ。


だから絶対に天川智明に膝枕して欲しいって訳じゃなく――。


「頭、動かすぞ」

「……うん」

休憩室の自動販売機で、スポーツ飲料を買った天川智明は、戻るとソファに腰掛けてまたあたしの頭を膝に載せた。


「体、起こせるか?」
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