くるみさんの不運な一日
だからあたしは天川智明の言う事全てに腹が立ち、悔しいと思ったのかもしれない。


きっとあたしはあの一時、愛されてると勘違いした。


ズルい男だと思った。


最低な男だと思った。


浮気のセックスならどうしてそんな抱き方したんだろうって――。


どうして勘違いさせたんだろうって、ムカついた。


「ほら、座れって」

自分の隣をポンポンと叩くこの男は、本当に最低だ。


「とりあえず水分補給しろ」

心配してますって口振りで、スポーツ飲料を渡してくるこの男は最悪だ。
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