くるみさんの不運な一日
でもあんな事があったから、こうして接する機会が多くなった訳で――。


きっかけがきっかけなだけに複雑な気持ちになった。


「座らないの?」

突っ立ってるあたしに声を掛ける天川智明は、自分が飲んでたスポーツ飲料を当然のように差し出してくる。


それってどうなの!?って思ったけど、ここは大人な反応を示す事にして、黙ってそれを受け取ると天川智明の隣に座った。


廊下の冷房が体の火照(ほて)りを(しず)めていく。


すっかり夜になった窓の外に、微かに星が見え――。


ふと、右側に目を向けると天川智明と目が合った。


「…………」

「…………」
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