くるみさんの不運な一日
「いや、別に深い意味はないんだけど! でもほら、天川さんに彼女いるって話聞いた事なかったし! って、疑ってる訳じゃなくてね!? ほら、あれ! 何ていうの!? ほら、野次馬的興味本位?」

やけに必死な言い訳みたいな事を口走ってしまった。


そんなあたしに比べて天川智明は、毎度の如く冷静だった。


「別に、普通」

あたしの慌てっぷりが滑稽な程に冷静な対応だった。


それがまた――ムカつく。


多少なり、遠慮してくれてもいいと思う。


そういう部分こそ気を遣ってくれてもいいと思う。


冷静に「普通」なんて言われたら、余計にモヤモヤしてしまう。
< 128 / 247 >

この作品をシェア

pagetop