くるみさんの不運な一日
あたし、何してんだろ。


あたし、バカじゃん。


何で天川智明と悠長に在庫整理なんかしてんだろ。


もう関わらない方がいいって分かってんのに。


バカだ。


マジでバカだ。


バカすぎて――呆れる。


自嘲的な笑みを浮かべて、腰を上げたあたしは、ポケットに入ってた鍵を取り出す。


「あれ? もう終わりか?」

電話を切って戻ってきた天川智明のその言葉に、倉庫の鍵を閉めながら「今日はもういいや」と、顔も見ずに小さく答えた。


――だから彼女と会ってくれば?
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