くるみさんの不運な一日
22:45『営業課』
「いや、それ俺が聞きたい」
苦笑――って感じの笑みを浮かべて、椅子に深くもたれた天川智明は、近付くあたしをジッと見据えて、「まだ帰ってなかったのか?」と言葉を続けた。
帰ってたけど忘れ物を取りに来た――なんて説明するのが面倒だから、「まあ」と曖昧な返事をすると、「そっか」って天川智明は笑う。
何を笑う事があるんだろうか。
何が面白いっていうんだろうか。
まさかその極上の笑みで、あたしを悩殺しようとでも――。
思ってる訳はない。
「天川さんは?」
「ん?」
苦笑――って感じの笑みを浮かべて、椅子に深くもたれた天川智明は、近付くあたしをジッと見据えて、「まだ帰ってなかったのか?」と言葉を続けた。
帰ってたけど忘れ物を取りに来た――なんて説明するのが面倒だから、「まあ」と曖昧な返事をすると、「そっか」って天川智明は笑う。
何を笑う事があるんだろうか。
何が面白いっていうんだろうか。
まさかその極上の笑みで、あたしを悩殺しようとでも――。
思ってる訳はない。
「天川さんは?」
「ん?」