くるみさんの不運な一日
だから喚いたあたしの声は少し震えてて、


「何って、何?」

近付いてくる天川智明を本気で殴りたいと思った。


「何で電話切ってんの!?」

「何でって、水戸さんが――」

「あたし関係ないじゃん! 電話中だったんでしょ!?」

「別に大した用じゃないし、後で掛け直せばどうとでも――」

「どうとでも!? どうとでも!? 今、どうとでもって言った!?」

「は?」

「どうとでも、なんて電話の相手に失礼じゃん!」

「あの……何でそんなにキレてんのか分かんねえんだけど」
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