くるみさんの不運な一日
「『的』じゃなくて、正真正銘の片想い」

「…………」

「だからずっと見てた。昼休み、食堂で飯食いながらいっつも携帯で彼氏にメールして、返事が来るのを待ってる水戸さん見て、俺がその彼氏だったらって思ってた」

「ひ、昼休みって――」

「俺、今までも結構水戸さんの近くで飯食ってたんだけど、全然気付かなかったみたいだな」

「マ、マジで言ってんの?」

「マジ」

「ええ!?」

「水戸さんの一途さすげぇな。一切周り見えなくなる」

「…………」

「だから、俺を見て欲しいってずっと思ってた」
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